星空写真の撮り方

今日は、星空写真の撮り方をお伝えしたいな、と思います。といっても、僕も全然初心者(それどころか入門者)なのでこの撮り方が一番綺麗に撮れる、という保証はありません。しかし、ここではある程度「こういう風に撮る」という方向性を示せれば、あとは撮影者様の好みで微調整されると思うので、今回は星空写真を初めて撮る人向けに、解説をしたいと思います。

用意するもの

1.デジタルカメラ
これがないと撮れません(笑)
カメラは、最近のものが良いでしょう。ただ、最新のものを用意する必要はないと個人的には思います。
正直、初めて撮った人がカメラにどこまでハマるかはわかりません。だから、初めから値が張る最新のカメラを買うとその選択自体が、人によっては「やめたらお金がもったいない」という義務感を生み、足枷になる可能性があります。
それよりは、型落ちのカメラを買う方が個人的には頭のいい経済的な選択かなと思います。デジタルカメラは、一眼レフでも、ミラーレスでもなんでも構いませんが、SS(シャッター速度)、F値(絞り値)、ISO感度がそれぞれ独立に設定できるものを買った方が良いと思います。以後カメラは一眼という前提で話を進めます。レンズは、後で解説しますが標準ズームでいいでしょう。


2.レンズ
一眼のカメラはミラーレスにしろそうでないにしろ、カメラ本体+レンズという組み合わせでできています。そのために交換レンズが数多存在しているのですが、今はその話をしている場ではないので省略します。とりあえず入門という話なので、標準ズームレンズでいいかと思います。星空を撮るには比較的画角の広い、やや広角よりのレンズを用意する必要がありますが、標準ズームレンズは大抵これをカバーしているので問題ありません。広角側の焦点距離が18mm以下であれば構いません。


3.三脚
正直、「星を撮る」だけであれば、最悪なくても大丈夫ですが、その為にはカメラを同じ位置で10秒程度寸分の狂いもなく保持しておく腕力が必要になるので、買っておくべきです。三脚は、高すぎるものを買う必要はありませんが、耐荷重が2kg程度のものを買う方がいいと思います。


4.レリーズ
レリーズとは、リモートレリーズ (remote release) の略で、カメラのシャッターボタンに取り付け、離れた場所からシャッターを切るカメラアクセサリーである。(Wikipediaから引用)
要は、こういうやつです。(写真)
なんでも良いのですが、当然自分の持ってるカメラに対応しているものを買うべきです。


5.懐中電灯などのライト
カメラを夜に真っ暗な野外で設置するわけなので、ライトがないと上手に設置できません。
ただし、一点だけ。ライトは赤セロファン等で減光しましょう。観測場所にはほかにも天体観測をしに来ている人がいるかもしれません。そういった人たちにも配慮をしましょう。

星空を撮るまで

1.ロケハン
これが結構大事です。星空を撮るための装備を整えても、肝心の星空が良く見えないのでは意味がありません。良い星空を撮るためにも、街明かりが少なくて、なるべく空が暗い場所を探しましょう。後は天気や雲の動き、雲量、月齢なんかを調べておくことも重要です。基本的には半月から新月を経て半月になるまでのどこかの日付で撮影を実行すべきです。


2.何を撮るのか明確にする
何を撮るかだって?いやいや星空だよ。ということではありません。星空といっても色々あります。南の空、北の空、あるいは特定の星座・・・何を撮りたいのかはっきりさせることで、ロケハンもスムーズに行なえます。

星空を撮る

カメラを三脚に固定して、いよいよとっていきましょう。
1.カメラの設定1
まず、カメラをマニュアルモードにします。これはSS、F値ISO感度を独立して設定するためです。フォーカスもマニュアルにするので、レンズ側のスイッチをマニュアル(MF)に合わせておきましょう。手ぶれ補正機能があるレンズは、それもオフにしておきましょう。


2.カメラの設定2
次に、写真の画質ですが、後々に編集することも考えたら、少し容量は大きくなりますが、RAW形式が良いと思います。RAWで撮る場合、WB(ホワイトバランス)はオートで構いません。容量が大きいからJPEGで撮るという場合は、WBは電球(写真が青っぽくなります)や蛍光灯(写真が紫がかります)などがおすすめです。


3.焦点距離
焦点距離は、とりあえず一番広角側(数字が小さい側)に合わせます。ピントは、とりあえず無限遠に持って行って、無限遠ではピンボケするようならそこから調節する形にしましょう。


4.試し撮り
SS、F値ISO感度は(個人的にですが)SS=20s、F値=最小、ISO=3200を基準にしています。まずは試しにこの設定で撮ってみて、そこから明るすぎるようなら絞りを絞るなどして暗く、暗すぎるようならISOをあげたりSSを長くしたりなどして明るくします。写真が明るいかくらいかの判断はヒストグラムで行います。こういうやつです(画像)。説明すると長くなるので省きますが、とりあえず山が中央に来るように設定しましょう。


5.レリーズ
ちなみにここまで一度もレリーズを使っていませんが、レリーズはどういうときに使うのでしょう。
SSをどんどん長くしていくと”BULB”モードに突入します。これは、シャッターボタンを押している間、シャッターを開きっぱなしにします、というモードです。星をより明るく映したい、星が動いている様子を撮りたい、なんて時に使うといいかもしれません。しかし、星は天球上を動いています。あまり長い時間空けすぎると星が点ではなく線で写るようになってしまいます。カメラを三脚に固定しただけで星を点で写したいなら、SSは長くて30秒だと思います。例えば1分間の露光で星を点で写したい場合は、別個でポータブル赤道儀を買う必要があります。

終わりに

と、まあ大体こんな感じでひとまず星空写真を撮ることができるんじゃないかな、と思います。